熱中症を起こしやすい犬種は?<第2問>
動物看護師として病院で日夜がんばって働いているみなさんに、ぜひ愛玩動物看護師国家試験にチャレンジし、合格していただきたい!
そんな思いから、みなさんの勉強の一助になればと、「愛玩動物看護師国家試験対策」のページを作成しました。
休憩時間などにぜひチャレンジしてみてください^^
愛玩動物看護師国家試験対策問題<第2問>
今回は、ちょうど今の時期に注意が必要な「熱中症」についての問題です!
<第2問>
真夏の日中、高い気温と高い湿度の中、屋外を散歩した場合に、
最も熱中症になる危険が高い犬種は以下のうちどれか答えよ。
① ジャーマンシェパード
② サルーキー
③ パグ
④ 柴犬
⑤ ラブラドールレトリーバー
どうでしょうか?
この時期、熱中症は本当に気をつけなければならない、緊急性の高い病気ですよね。
動物看護師のみなさんはこの問題をみて、
「真夏の日中に散歩させたらどんな犬種でも危ない!」
と、すぐにお気づきになりますよね^^
もちろん、真夏の日中は、どんな犬種でも熱中症になる危険が高く、そんなときに散歩をさせてはいけません。
この問題で注目したいのは、「最も」という設問中の言葉。つまり選択肢にある犬種の中で、最も熱中症になりやすい素因をもっている犬種はどれですか?ということです。
動物看護師になりたい学生たちを相手に専門学校で講師をしていますが、動物好きな学生たちでさえ、犬種や猫種については詳しく知らない子も多いのです。さらにそれぞれの犬種・猫種の身体的特徴、遺伝的にかかりやすい病気にいたっては、知らない子がさらに多くなります。そのため、専門学校では「伴侶動物学」という分野の講義が設けられ、犬種や猫種、エキゾチックアニマルについて学んでいます。
解答&解説
答えは、③パグです。
熱中症は、どんな犬種のわんちゃんでもかかりますが、特に注意が必要なのが短頭種。短頭種はその名前の通り、マズル(鼻先から鼻の根元まで)が短く、外鼻孔(鼻の穴)や鼻道も狭くなっている子が多いため、呼吸がしづらく、熱の放散が苦手な犬種です。
また、小型であったり足が短くて、地面と体との距離が近い犬種は、熱くなった地面の温度の影響をもろに受けてしまいます。
例としては、選択肢の中にあったパグ、それからボストンテリア、シーズー、ブルドッグ、ペキニーズなどです。
そのほかには、北方原産で厚い毛におおわれている犬種である、シベリアンハスキーやグレートピレニーズなど大型のわんちゃんも注意が必要です。
また、肥満気味のわんちゃんは、皮下脂肪が断熱材の役割を果たしてしまうので熱を放散しづらく、子犬や高齢犬は体温調節がうまくできない場合もあります。もちろん、心臓は肺などに基礎疾患を持っているわんちゃんは、循環不全や呼吸機能不全の影響から熱中症にもかかりやすくなってしまいます。
まとめ
熱中症は非常に緊急性の高い病気です。熱中症になったらとにかく冷やすこと!
飼い主さんが「熱中症になってしまった!」と動揺して電話をかけてきた場合は、動物看護師は、落ち着いて応急処置の方法を伝える必要があります。
ポイントは「日陰」、「水と氷」、「風」
①ぐったりしているわんちゃんを、まずは日陰など涼しい場所へ移動してもらう
②わんちゃんの全身に水をかけるか水でひたひたにしたタオルをかけ、首、両わきの下、両足の付け根(鼠径部)をビニール袋に入れた氷や保冷剤で冷やす
③扇風機やうちわを使ってあおぐ
(水は蒸発するときに周りの熱を奪ってくれます(気化熱))
といった応急処置をしていただいたうえで、病院に連れてきてもらうようにお話しましょう!
緊急性の高い電話を受けると緊張しますよね・・・。
こういう電話が来るときに限って、近くに獣医師がいなかったり、先輩の動物看護師がいなかったりするものです(;^_^
しかし、動物看護師の動揺が伝わってしまうと、ますます飼い主さんは気が動転してしまいますので、ここはプロとして落ち着いて(見た目や声だけでも)、適切なアドバイスができるように、普段から応急処置についてはまとめておきましょう^^