鳥はどうやって呼吸する?<第3問>
動物看護師として病院で日夜がんばって働いているみなさんに、ぜひ愛玩動物看護師国家試験にチャレンジし、合格していただきたい!
そんな思いから、みなさんの勉強の一助になればと、「愛玩動物看護師国家試験対策」のページを作成しました。
休憩時間などにぜひチャレンジしてみてください^^
愛玩動物看護師国家試験対策問題<第3問>
今回は、哺乳類とまったく異なる体の構造をもつ鳥類についての問題です!
<第3問>
鳥類のからだの中で、呼吸に関係する器官は以下のうちどれか?
① 横隔膜
② 砂嚢
③ 肺胞
④ 気嚢
⑤ 総排泄腔
どうでしょうか?
鳥類はそれほど頻繁に動物病院に来院するペットではありませんよね。鳥類を専門にして診ている病院は別ですが、一般的な動物病院では、鳥類の病気に詳しい獣医師は少ないかもしれません。なぜなら、哺乳類と鳥類では、まったく体の構造や習性が異なるからです。そして、大学の講義で鳥類に関する講義がどれくらいあるかとなると、あまり多くはありません。
つまり、特に鳥類が好きな獣医師が自分で情報を集めて学んでいかないと、なかなか診察が難しい分野なのです。
わたしは動物病院で診察をしていた頃、鳥類の診察はほとんどありませんでした。覚えているのは、道路でうずくまっていたウミドリが保護されてきて、診察をしましたが、舌に釣り糸が絡まって壊死しており、少し触ったら舌の先端ごとポロリと取れてしまった症例、それからカラスも保護されてきましたが、翼から出血し垂れ下がっていて、交通事故か、なにか獣に襲われたのだろうと思われた症例、それ以外はインコの卵詰まりが数例いたくらいでしょうか。
インコの卵詰まりが来たときは院長に任せていたのですが(院長も得意な分野ではありませんでしたけど)、院長が不在のときに限って、原因はよくわからないけど調子の悪いインコが来て、四苦八苦した覚えがあります(-_-;)
解答&解説
答えは、④気嚢です。
鳥類の呼吸器系の特徴として、①肺胞がないこと②横隔膜がないこと③鳴管をもっていること④気嚢をもっていること、などがあげられます。
特に横隔膜のない鳥類にとって、気嚢は、肺に空気を吸い込んだり、吐き出したりするためのとても重要な器官です。多くの鳥類は、頭部グループとして5つ、尾部グループとして4つの気嚢をもっています。これらの気嚢は肺の気管支とつながっていて、膨らんだり縮んだりすることで、空気の出し入れをしています。
ちなみに鳴管というのは、それぞれの鳥類に特徴的な「さえずり」の音を作り出す器官です。鳥の種類によって形態が異なり、鳥類は、哺乳類にあるような声帯はもちません。この鳴管に空気が通ることによって、あの独特のきれいな「さえずり」の音を作り出すことができます。
では、ほかの選択肢もみてみましょう。
前述したように、①の横隔膜は鳥類にはありません。同じく③の肺胞もありませんので注意してください。②の砂嚢は別名「筋胃」と呼ばれ、中に砂粒は入っていて、食べた餌をすりつぶしている消化器官です。また⑤の総排泄腔は、鳥類で特徴的な構造で、生殖器(卵)・泌尿器(尿)と消化器官(便)の出口が合流しているところになります。
まとめ
鳥類は哺乳類と比較すると非常に異なる構造が多く、内臓だけではなく、骨格からして大きな違いがあります。
違いが大きいということは、認定試験や国家試験にも出しやすい分野ということです。この機会に鳥類のからだの構造についてまとめておくのもいいですね^^