猫が尿石症になると処方食をすすめられる理由とは?<第6問>
数年後に国家資格化される動物看護師の資格。
名称も「愛玩動物看護師」に変わります。
現在「動物看護師」として、
日夜お仕事をがんばっているみなさんも、
国家試験に合格しないと
「愛玩動物看護師」と名乗ることが
できなくなってしまうのです・・・。
国家試験を受けたいけど忙しくて・・・。
そんな思いを抱いているみなさんの勉強の一助になればと、
「愛玩動物看護師国家試験対策」のページを作成しました。
休憩時間などにぜひチャレンジしてみてください^^
愛玩動物看護師国家試験対策問題<第6問>
今回は、動物病院で勤務している動物看護師のみなさんには
とてもなじみの深い、処方食についての問題です!
<第6問>
ストルバイト尿石症の猫に処方される処方食で制限されている
栄養素(成分)はどれか?
① 脂肪
② マグネシウム
③ タウリン
④ 炭水化物
⑤ ビタミンE
どうでしょうか?
寒い季節になってくると、
動物病院への来院数が多くなるのが猫の尿石症ですね。
特にオス猫は尿道が細いので、
尿道に結石が詰まって尿が出せなくなってしまうと、
命にも関わり、危険です!
一度尿石症になってしまったら、
動物病院でおすすめするのが尿石症用の処方食。
尿石症の猫たちは、
一般に市販されているようなキャットフードを食べ続けると、
尿中に結晶や結石ができやすくなると考えられており、
それらが刺激となって、膀胱炎や血尿を繰り返したり、
頻尿になってトイレ以外の場所で粗相をしてしまったりと、
飼い主さんを悩ませる日々が続いてしまいます。
そうならないよう、
尿の状態を正常な状態に戻してくれるのが処方食です。
ただ、処方食ってちょっとお高め・・・。
処方食をおすすめしても、
症状が落ち着くと処方食をやめてしまい、
しばらくして膀胱炎や血尿が再発して来院
というのも、よくあることですよね(;^ω^)
処方食を食べず、
たびたび膀胱炎を起こしては
数日間通院して治療費がかかったり、
最悪、尿道に石が詰まって
愛しい愛猫を命の危険にさらすことを思えば、
普段から処方食を食べ続けたほうが、
結果的に、懐にも、猫ちゃんにとっても
優しい日々になるのだということは
ぜひお伝えしたいことです。
解答&解説
答えは、②マグネシウムです。
問題文にある“ストルバイト”は
尿石症の猫たちの尿検査で
よく観察される結晶の名前ですね。
ストルバイトを成分名でいうと、
“リン酸アンモニウムマグネシウム”になります。
つまり、ストルバイトの原料のなかに、
マグネシウムが入っているので、
処方食では、マグネシウムの含有量が制限されているのです。
とはいえ、マグネシウムは動物が生きていくために
必要な成分でもあります。
全く摂取しないわけにはいきませんので、
それぞれのフード会社で調整して処方食が作られています。
また処方食では、
同じく猫の尿石症の原因となるシュウ酸カルシウムの原料となる
カルシウムの含有量も制限されています。
ちなみに、
③のタウリンは、猫の必須アミノ酸の一つとして代表的なものです。
タウリンは犬の必須アミノ酸には含まれていないので、
認定試験でも出題されやすい問題です。
なぜ猫だけかというと、
猫は体内でタウリンを合成することができないので、
体外から摂取する必要があるのです。
まとめ
猫の尿石症用の処方食はたくさん種類があり、
それぞれの特徴を覚えるのは大変ですが、
どうしてその処方食をおすすめするのかを
飼い主さんにわかりやすく説明して、
納得していただくことで、
処方食を続けていただき、
猫ちゃんの健康を一緒に守っていただきましょう^^
また尿石症の予防には、処方食だけではなく、
環境づくりも大切です!
特に寒い季節は、
しっかり水分を摂らせる必要があります。
いつも新鮮な水を飲めるように、
水入れを猫の通り道を考えながら何カ所かに置いてあげたり、
いつもよりウェットフードの割合を増やすなど工夫が必要です。
また、トイレはいつも以上きれいな状態に保ち、
猫ちゃんがおしっこのストレスをためないように
気をつけてあげましょう!
猫ちゃんにとってよりよい環境づくりは、
飼い主さんとコミュニケーションの取りやすい
動物看護師さんの腕の見せどころです!
頑張りましょう(^▽^)/